往復書簡第3便 空想と自信とマンガと

マンガですか。いきなりの脱線ですね(笑)

確かにマンガ好きですが、それほどでもないかと思うのですが、とはいえ「キャプテン翼」に影響されてサッカー部に入ったクチです。なので、マンガに人生を左右されてると言われても仕方ないのですが(苦笑)

最近のイチオシはやはり「暗殺教室」ですね。マッハ20で移動する人工生命体「殺せんせー」がなぜか中学校の先生をやっていて、地球を守るために生徒たちが暗殺するという話なのですがこの殺せんせーはとても魅力的な先生なのですよね。しかも「暗殺しなくてはいけない」という特異な状況におかれたことで、平凡な日常では決して目覚めないような才能を生徒たちが開花させていくさまに夢を感じます。連載がはじまった直後から「これはデスノート級のヒット作になる!」とほうぼうで喧伝してたら、周囲でも愛読者が増えてきました。

 

あと東村アキコの「ママはテンパリスト」を読んで以来、女性向けマンガにも手を伸ばしています。今注目しているのは「失恋ショコラティエ」と「町でうわさの天狗の子」です。女性向けマンガは心の機微がとても細やかに描かれているのが良いですよね。女性向けマンガばかり読んだあとに少年マンガを読むと、ストーリーが大味で辟易することがあるくらいです。小学生の女性が「男子ってガサツでやーね」と言う時の気持ちって、こういう感じなのかなと思ってしまいました。

 

マンガも絵本も小説も、物語という意味では共通ですよね。

ジョージ・ルーカスの師としても知られる神話学者ジョセフ・キャンベルは世界中のあらゆる神話が、「旅立ち」「達成」「帰還」という三部構成になっていることを指摘しました。主人公が何者かによって連れ出され、目的を達成し、故郷へと帰還する。そのプロセスを経て主人公は自らの幼さを捨て、大人としての自分を手に入れます。それはつまり、通過儀礼の雛形なのだと。つまり人にとって物語とは、大人になる通過儀礼のシミュレーションとして機能しているのだと言えるのですよね。これは身体を強くしていくということにおいても、とても大きな示唆なのではないかと思うのですが、整体及びシュタイナー的にどうなのでしょう?
もしかしたらシュタイナーはキャンベルの言うヒーローズ・ジャーニーと親和性があるんじゃないかなー、なんて事をうっすら思ってみたのですが。

 

北川貴英